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前田貴史師による正角彫刻。福喜さんの素晴らしい仕上げの木地とあいまってすっきりと引き締まった印象です。 |
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ナットを緩め、本体を上げていきばらします。 |
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神輿屋根の場合いつも天地裏返してばらしていくのですが蒲団屋台には棟がないのでそれもできず、本来の天地のまま外しました。 |
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斗組は長い肘木(ひじき)で繋がっています。 |
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その肘木を外します。 |
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元の位置に元の向きで戻せる(組める)ように、配列や注意点などメモを控えながら順番に分解していきます。
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初めての蒲団屋台の斗組。
見た目からしてすごい数の多い印象の枡は、実際通例の神輿屋根の四倍以上あります。
枡と皿斗(さらと)を別々に数えると500を優に超えます。 |
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少々大工仕事です。→ |
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裏返したときの水切り先端保護の部材(赤丸)です。 |
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勾欄(高欄)もばらします。
この勾欄はいままで漆塗りをさせて頂いた中でもっとも複雑な構造をもつもののひとつと言えます。
乗り子さんの背中部分の欄干が外側に広げてあるいわゆる「出勾欄(でごうらん)」自体はさいきんよく目にしますが、わかりやすい大きなところで言っても、ピンク丸の角擬宝珠(まちがっていたらごめんなさい)と勾欄掛けを支える部材(青丸)が別構造、通例は同じであることが多い台の上框(みどりの線)と乗り子さんの座る座板(赤の線)の高さが変えてある、など
かなり凝った造りとなっています。
部品が多く、そうなるとそれぞれの精度がより求められるます。
言葉にすると「まさに職人技」と陳腐になってしまいますが、こうやって実際に触らせていただくと大工さんのお仕事は本当にすごい、と驚かされます。
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塗り代を削っていきます。漆塗りは厚みを伴います。ホゾなど、接合部分は漆塗り上がりで基の寸法になるように削って(薄くして)おかないと組めません。
今回の勾欄は前述の通り部材がとても多く、自ずと接合部分も多く、
出る木屑はご覧のように相当な量です。
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井筒・平桁もおなじく。 |
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一肌剥くといえばこちらもそう。
勾欄掛けを支える部材と角擬宝珠です。
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漆は天然材料。素手でよく触られたところや清めの塩などが被ったところは漆がかわきません(固まりません)。
そのために表面を一肌剥いて漆のかわきやすいきれいな木地にするという意味も、この塗り代削りにはあります。
漆塗りは下地に入るまでにもいろいろと作業を要します。 |
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堅地を練る様子。 |
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木地拵え(きじごしらえ)を終えるといよいよ下地作業に入ります。
まずは木固め。生漆(きうるし)を木地に一度、ときには二度塗りこみます。
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布着せ。麻の布を貼ることで強度を得たり、木目を出にくくします。
↓
堅地(かたじ)と呼ぶ、天然漆と地の粉(じのこ)砥の粉(とのこ)を練り合わせたものを何度と無く箆(ヘラ)で重ねていきます。配合は適宜用途や回数に合わせて変えます。
水にも溶けず有害物質を一切出さない堅牢な下地が出来上がります。 |
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布着せ時。
余分な布を削っていきます。 |
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すっきりと整ってきました。
きれいに平らに程よく厚みをつけて。
上手につけるともちろん研ぎ易いです。 |
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奥は勾欄台。 |
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すこし手間取っているのが勾欄台の座面。
汚れか塩気かで、なかなかこっきりかわきません(固まりません)。模様になっているところが生乾きです。
木固めではかわいたのですが、堅地ではなかなかでした。
漆は塩分などがあると固まりません。 |
以上、夢前の工場(こうば)での作業でした。
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一方、姫路の職場では
本来事務用の部屋でも作業場と化していました。
となりの和室も倉庫状態。
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小枡。200個以上あります。
地付けが続きます。
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勾欄欄干部材です。
部品が多いので長いこと使っていなかったスチールラックを倉庫部屋から引っ張り出してきました。 |
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総堅地仕様。
ひとつひとつ手作業、砥石で研いでいきます。
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斗組みの肘木。研ぎに入った時の様子。 |
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長い肘木。
黒味の強い方が研ぎ前です。
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そして勾欄部材も入れると600を超えるすべて研ぎ終えるとやっと漆塗りに入ります。
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工場(こうば)の屋根本体も研ぎを終えました。
堅地ならではの角の立ったシャープな仕上がりです。
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