漆の下塗りまで進んだ各部材。
左から天井押さえ縁、
平桁下段、
上段、
高欄掛けにあたる部材、
受話器より右は曽根北之町の斗組肘木。
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透き漆も下塗り完。
大きな妻鹿の井筒。 |
ムロは二台分の斗型や高欄部材で
いっぱいでした。
右画像→
下の弁柄漆一色が妻鹿の分。
金箔を押すものの下塗りは
発色が良かれと考え
弁柄漆を塗ります。
(8月25日撮影、日の無さに
今更ながらドキドキします) |
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金箔用のムロ。
当店では金箔も漆を用いての施工
なので高湿のムロが必要です。
正角と露盤彫刻の枝。
やはり北之町と同時進行でした。
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高欄はその二台とも出高欄
(乗り子さんの背中のところが広い)
だったので部品点数が多く、
倉庫にあったラックを置台に
していました。 |
その頃の日記にも書いたはずですが
海外からお越しのお二人に
いろいろ説明して差し上げました。
細かく覚えていませんが
感嘆の言葉を言われていたように
おもいます。
(8月26日)
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面の整い方からおもうに
おそらく中塗りの折とおもわれます。
言うまでもなく刷毛塗り。
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当店では上塗りは日本産100%を、
この中塗りでは日本産50%の漆を塗っています。 |
塗師(ぬし)なら誰もが経験する災厄、
羽虫沈着。。
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各塗りの締まらせる間に天地裏返し、
下端の下地研ぎを進めます。
ここも天然漆による下地、
堅地です。
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油桐の炭で徐々に塗面を研ぎ下ろしていきます。
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全面に至ってきました。
仕上がりに大きく左右するため
かなりの日数を割きます。
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炭研ぎが終わり、
さらに細かいチシャと呼ぶ木の炭で
蝋色(ろいろ)研ぎ完。
するとすでに底光りしてきます。
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浅い角度から透かすと
もう映り込んでいます。
(人工の砥石も併用しています。) |
さあ蝋色。
漆を摺っては(薄く延ばしては)
かわかし
締まらせ、
角粉(つのこ)で磨き上げ、
を繰り返します。
素手。
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屋根鏡が磨きあがるとまた下端。
画像は漆下塗り直前。
ここも
もちろん吹き付けなどせず
刷毛塗りです。 |
高欄部材も
無事上塗りから炭研ぎ
と進み、
蝋色工程です。
全ての部材の
角を保護するためにつけている
傍板(そばいた)と呼ぶ端材を
丁寧に外し、境目を整えます。
すべての漆塗り、箔押しが終わると
すぐ組み立てに入ります。
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