魚吹八幡宮社務所その2
その2では火灯窓などの作業風景とともに完成後の様子をご紹介いたします。
床柱
旧社務所の前に植わっていたという
貝塚伊吹。 |
床柱にはめずらしいそうです。 |
滑らかな表面でしたが
下地作業はやはり必要です。
複雑な表面。→
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壁が出来てしまってからの
作業となりました。
養生をしようにもできず、
境目は気を遣いました。
透き漆の摺り上げ(拭き漆)
です。 |
書院
書院の板の框は現地で磨きました(蝋色工程)。
火灯窓 等
階段の正面に据えられた火灯窓。
これも旧社務所にあったものだそうです。
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割れた部分に布を着せ
全体に下地(堅地)をつけて均していきます。
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下地研ぎまで完了。
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下塗りしていきます。 |
上塗り→炭研ぎ→蝋色一回目が済みました。 |
南側広間のそばの茶室の入り口に
もうひとつ窓枠があります。 |
現地の作業は、今年度お預かりした屋台の納入が終わってから魚吹の祭りまでの期間、約一ヶ月でした。
一部間に合わなかった箇所もありご迷惑をおかけしましたことお詫び申し上げます。
さいごに完成後の様子をご紹介します。
完成(写真は平成18年11月初旬)
玄関
柱は日々直射日光が当たるので早い退色を想定し梁より色味を若干濃くしています。
各部分で拭き漆・塗り・漆の種類・濃度 を変え、なるべく単調にならないようにしました。
火灯窓
内側も蝋色塗りです。
こちらの内側は艶消しで仕上げました。
二階大広間
北側の広間です。30畳だったとおもいます。
二間(4m弱)の床板と框、なんとか色が合わせられました。
書院の板です。
違い棚
下から見上げた角度です。天袋の地板も含め総蝋色です。
床柱
南側広間の床框です。こちらも長さ二間です。
西側の階段を上がった正面の棚板です。
展示されている旧坂上屋台です。写真は作業前ですが、鏡の磨きもさせていただきました。
近年、住宅内の部分部分に漆塗りを施すといったご依頼を頂くようになってまいりました。
漆は、華やぐ「ハレ」の使い方も、落ち着いた「侘び」の使い方もできる優れた天然材料です。
漆の塗り面は古い木材(古民家や使い込まれた家具など)の表面と同じように目に刺激のある光線の反射を和らげるということを聞いたことがあります。なんとなくいいと感じるのはそのせいもあるのでしょうか?
また見た目だけではなく、漆はカビを防いだり害虫を遠ざけたりするる効果が見られるようです。花瓶の水の中に漆塗りの木片を入れておくと水が長持ちしたり、あるお宅では二階の板間(フローリング)に全面拭き漆をされたところ二階だけ害虫を見なくなったといった話も聞きます。実際私どもの職場のムロ(漆を干すための湿り風呂)は常に水気たっぷりの環境ですがカビがまったくといっていいほど生えません。
今回の床の間のように正統派といえるような漆塗りだけではなく、アイデアで部屋の雰囲気が少し変えられたりします。
わが家では普段使いのものとしては、観賞植物の敷物に漆を塗って出窓に置いています。遊び心でクルマのエアコンパネルの部分に漆を塗ってみましたが雰囲気ががらっと変わりました。
「ハレ」の代表して正月のおせちを入れる重箱を拵えました。蒔絵は入れず黒の深みを愛でています。
ご覧頂いてる皆様もなにかひらめかれたら、お気軽にご相談くださいませ。
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漆塗り華台。
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写真左隅のシフトノブは自作削り出しの球に
拭き漆です。
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国産黒漆蝋色塗り重箱。
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内側は本朱塗り。
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ゴルフクラブにも塗ってみました。
字には金箔を押しています。
見た目は劇的に変わりました。
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