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        既製品仏壇の漆塗り修復(完全修復) 
       
        
      
        
          
             浄土真宗大谷派(お東)仏壇のお洗濯(修復)のご紹介です。 
             一尺六寸(16号)のおおきさで、幅が約50cmほどです。 
             
             当店では、大きさの大小にかかわらず作業工程は同じで、漆を使用するということひとつです。 
            今回ご紹介するのは、販売店でご購入されたいわゆる仕入れ物(既製品:パテ下地・スプレー拭き付け・ウレタン塗装)のお仏壇を、手作業で漆を使って修復すればこういうふうに生まれ変わります、という一例です。 
             
             漆による総塗り替え、ご覧下さい。 | 
           
        
       
       
       
       
       
      戸(扉) 
      
        
          
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                  |  まずお仏壇の入り口である戸(扉)です。効率化を図られた塗装は隅や角があいまいです。作業にあたってまずその部分から取り掛かりました。 丸くなった入り隅は削り(彫り下げ)、角は下地を立てて付け、印象をごろっと変えます。 | 
                 
              
             
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            左上:下地を彫ったりめくったりの様子です。釘穴も処理します。 
             
            上:堅地(漆を使った下地)を用い、凹みうねりを修正していきます。最終的には全面に下地を付けます。 
             
            左:国産漆の上塗りののち、蝋色(漆の表面を炭で研ぎ出して、磨き、艶を上げる)し、完成。 
             
            この間下地を付けては均し、下地工程完了後は、漆を塗っては研ぎを3回繰り返し、磨く、その工程は20を数えます。  | 
           
        
       
       
       
      狭間(欄間)彫刻 
      
        
          
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            漆による修復をするにあたり、狭間(欄間)の彫刻だけは、塗りなおすだけではどうにもならないということになり、彫刻を新調いたしました。 
             なぜでしょうか、 それは写真をご覧下さい。新旧の彫刻です。 
             
             もともとついていた彫刻は典型的な仕入れ物のお仏壇の仕上げでした。下地・塗りが分厚すぎるのです。 
             
             大阪の方面の大手仏壇店のCMで、「お仏壇は彫刻をご覧になってお買い求めください」というのが過去ありましたが、それには一理あって、 
            どんなに戸や本体の木地の造作や「塗り」、また蒔絵等が良くても彫刻の如何によっては全体の印象を大きく左右します。 
            彫刻部分にものの差が出る(差が分かりやすい)ともいえます。 
             
             わたしども零細の仏檀店が大手仏壇店に陳列されているお仏壇といかに差別化を図ってお客様に提案していけるかもやはりこういった部分に分かりやすくあらわれます。 
             
             
             
             
             拭き付けなどはせず、手作業によって最低限の下地をし、漆を分厚くならないように塗り上げ、漆を使って上等の金箔を施す。 
             その差は誰の目にも一目瞭然です。 
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      完成 
       
       こまかい作業内容は割愛させていただきます。[仏檀の部屋]のほかの項でご紹介しています。 
        
       
        
       前述の下地作業によってすっきりと仕上がった戸の表と戸裏です。側面にも新たに金箔を施しました。金箔は一号色のものを使っています。 
      天然漆塗りの風合い、写真では全てお伝えすることができません。 
       
        
       
      
        
          
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                   脇板正面(緑線部分)・框(かまち:青丸部分)・戸当り・障子当り(赤線部分)とも金箔仕上げとしました。従来はすべて黒く塗ってありました。 
                   
                  框と、戸当り・障子当りの間の下面は金箔をツヤ有りで施しています。映りこみや反射で、さほど大きくないお仏壇でも広がり感が出ます。 
                   
                   
                   狭間彫刻が取り付けられる部分には、この度は「だき」を新設しました(オレンジ枠部分)。もともとはこの部分は無く、框が単に直線で伸びていました(下の画像をご参照ください)。 
                   これも改良のひとつです。 | 
                 
                
                    
                  修復前 | 
                 
              
             
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       様子を一新し、完成したお仏檀です。大谷派ですので内陣柱は本来の黒(漆塗り)としました。 
      印判で施されていた蒔絵もこのたびは本蒔絵新調としています。螺鈿(らでん:青貝による加飾)も取り入れております。 
       金具はあらたに金メッキをし、さいごに丹をさしてさらに豪華に見せています。ほんのり赤味がさしているのがお分かり 
      いただけることとおもいます。 
        
       ご本尊も塗り直しをさせていただきました。 
       
       
      新旧比較 
      
        
          
            |  旧 | 
             新 | 
           
          
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             障子は梨地仕上げでした。 | 
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            |  金箔部分が増えたことと、障子をベンガラ漆塗りとしたことがあいまって各段に明るい印象で仕上げることができました。 | 
           
        
       
       
       
      
        
          
              
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             段周りです。端板(はたいた:左画像のオレンジ線部分)もベンガラ漆を塗り、黒と金が基調の内陣に変化を付けています。 
            下段(一番下の蒔絵が描かれている段)以外の上面は艶消し黒漆塗りです。 | 
           
          
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             除け台(よけだい)も梨地塗りでしたが、今回、溜め塗りとしました。 ベンガラ漆の上に透き漆を重ねて塗り、深みをあたえています。 
            また障子部分等の明るいベンガラ色と変化をもたせる効果もあります。 | 
           
        
       
       
       
       
      納入 
       
      
        
          
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             左: 戸を閉じたお仏檀の佇まい。天然国産黒漆塗によるしっとりとした落ち着きのある光沢です。 
             右: 障子の金具は新調致しました。もちろん総手打ちです。 | 
           
          
             
             
              
             お客様の仏間にお納めさせていただき仏具を配置いたしました。 
            ご自宅の新築に伴っての仏檀修復ということでした。お預かりして約三ヶ月、あらたに生まれ変わったお仏檀を 
            たいへんお喜びいただきました。光栄です。 
             誠にありがとうございました。 
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       いかがでしょうか。 
      新たに仏壇の買い替えをお考えなら、長くお祀りし愛着のあるお仏壇の修復による衣替えもぜひ選択肢に入れて下さいませ。 
      わたしども自身がお客様を思い描き、みずから手を動かしての漆塗り修復。工場で効率化を図られた製品作りとは一線を画します。 
       当然です。 
       
       あらたな価値を伴って生まれ変わります。ご予算も買い換えることをおもえばお安く抑えることができます。 
      ご連絡いただければ参上いたします。もちろん見積もりはお代金を頂戴いたしません。 
       ご縁がありますようにとお待ちしております。 
       
        注) 当HPの全体にいえることですが、ぶつだんの表記について、他店のものは「壇」、 
      当店で手がけさせていただいたものに関しては「檀」の字を使わせていただいております。 
       
       
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