初年度は白木のままでしたがのち木地に彩色が施されました。この状態からの漆塗箔・彩色となります。
このとき毛に塗られていた塗料が金色の粉状のもので、そのまま下地をしても木地に定着しない状態だったため、入り組んだところも一度すべて剥離しました。 |
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天板と彫りとの隙間を埋めます。下地は漆によるものです。 |
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獅子の白色は、木目を消さずに且つ雨に流れないようにとのご希望でした。 |
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白い部分にはみ出さないように下地、漆塗り、と進みます。 |
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漆は空気にふれると色がみるみる変わります。写真の右上の部分が塗ってすぐの色(黄色)ですが、すぐ変色します(茶色)。そして乾いたのち月日が経つとまた徐々にもとの色に戻っていきます。
漆だ、といって類似品を使うことは許されないことです。色漆や透き漆の場合、乾く前・乾かす途中・乾燥後、それぞれ色が変化します。
ぜんぜん色の変化のないものは漆ではありません。 |
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これは正面にあたる面です。
この面だけどうしてももとの形のままでは作業を行えませんでした。奥まったところに刷毛や箔押し時に必須の箔箸(はくばし)が届きません。
仕方なく張り合わされていた部分を切り離しました。 |
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毛の彫刻です。
もとの塗料をはがしたあと下地、漆塗りののち粉溜め(ふんだめ:純金粉による仕上げ)としました。
本体の金箔の部分との差をつけるためです。 |
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金箔を施していきます。これを「箔を押す」といいます。
艶ありでの箔押しです。 |
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もとの彩色で白い花だった部分はプラチナ箔を押しています。 |
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後ろの面です。くわえられている鈴も彫刻で、このあとプラチナ箔を押します。 |
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目にも金箔。 |
さいごに彩色していきます。 |