魚吹八幡宮・平松屋台4 

 平成16年9月26日、お待ちいただいていた露盤・台(アシ)をお納めし平松屋台は完工式を迎えました。

その最終、完成までをご紹介します。



腰の桝組み(ますぐみ)
  


 平松の蛙股彫刻は宮田や坂出のもの(各面四つ)と違い大きめのものが各面二つずつとなっています。そのこともあり桝・肘木の数は少なめなのですがそれでもこれだけあります。ちなみに支輪(しりん:[こえび])もありません。
肘木は国産梨地総蝋色、透き漆の色加減は勾欄より薄めです。(勾欄はすこし濃くしております。)
 桝はすべて黒檀で、漆仕上げとしています。

正面の桝組み肘木1段目。
肘木の上面は艶消し黒漆を塗っています。

正面2段目。

正面3段目、最上段。

隅の桝組み1段目。

隅2段目。

隅3段目、最上段。

正面の完成形。

隅の完成形。

すべての桝組完成。

小さいほうのこの獅子は薄めの透き漆、、

「虫喰い塗りの框」に接するこの獅子(大)は濃い目、勾欄と同色。




 勾欄

  
 漆で分厚くなる分を生地から削っているのですが気を遣う勾欄の組み立て。鳥の彫刻(白木)を元の位置にもどします。

  
 下面は「塗り立て」ですが、前面・上面に加えて背面も蝋色仕上げとしております。これも普通は行わない特別工程です。

 その他

  
 脇棒受けの龍の彫刻。木目を消さず下地をし、国産梨地透き漆(濃い目)を塗っています。
白目・歯も漆です。


 勾欄の下の框。泥台と同じ手法の虫喰い塗りです。
この框には金物が付きます。

 格天井。枠は半つや消し黒漆、花丸の彩色。

天井の押さえ縁。国産本朱研ぎ出し漆、下面蝋色仕上げ。面は金箔です。

  
 泥台の太鼓隠しの格子。前面は黒蝋色仕上げ、側面は金箔です。


 最終組み立て

まずは泥台に脇棒受け(咥え)彫刻を取り付け。→

桝組みが付く「向こう板」を組みます。
金箔を押しています。

その向こう板に螺鈿を施した框を付け咥えの上にのせ組みあがった桝組みを取り付けていきます。→

勾欄框を組みます。
四隅に大きいほう(濃い透き漆)の獅子。


 それを桝組みのうえに組み、さらにそのうえに欄干が組まれます。
青いスジは螺鈿です。
 
  
 最後のナットを締め、座板をつけます。座板は乾漆塗りとしています。滑りませんし耐久性もあがります。


 完成


 昨年(平成15年)11月にお預かりし5月末に納めさせていただきました。半年にわたる作業でした。

まだこの時点ではお納めしていない露盤についてはさらに項を改めさせていただきます。


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