姫路仏檀 内陣(2010/1/4) <TOPにもどる>
浄土真宗西本願寺派のお仏檀、この項ではその内側をご覧に入れます。
気の晴れるような金色は、一般的な金箔では最上級の「縁付一号色三枚掛け金箔」によるものです。
隅々までご覧頂きたくおもいます。

日本文化特有の’黒と金’の組み合わせ。
相性良く美しいコントラストは、黒漆の艶やかさと金箔の晴れやかさの調和です。 弁柄漆も華を添えています。

障子の’紗(しゃ)’は金糸を含む手刺繍によるものです。 淡い色使いがさりげない高級感を演出します。
紗の拡大。

内部全景。 正面を向く部分はすべて蝋色(ろいろ)塗りです。
ここからは各部を仔細にご紹介します。

戸当たりの錺(かざり)金具は下側まで折れ曲がっている様式です。
その戸当たりと障子当たりの、正面はツヤ消しの金とし、それぞれの下面(赤い印の部分)はツヤ有りの金箔としました。

同じく脇板(わきいた:仏檀の側面の板)の框(かまち)内側、通称「だき」と呼ぶ部分もツヤ有りの金箔施工です(赤い印)。
ツヤを与え、映り込みを誘うことで視覚的な広がりを持たせられます。
またそれ以外の側面はツヤ消し金箔とすることで単調にならず、表情に奥行きが加えられます。
狭間(欄間)彫刻の、下地・塗りに埋まってしまっていない様子、金の光沢、も注目されたいところであります。
こちらは反対側、

上部の黒漆も、深みのある良い色味・輝きを得られました。

彫刻・屋根・天井を下側から。 屋根の、五層から成る枡組みもすべて漆塗箔(うるしぬりはく:漆塗りの後、漆によって金箔施工)です。
当店は吹き付けの下地・塗装は一切行っておりません。
脇板(側面)に映り込んでいる屋根の表情に手前(だき)と奥で変化しているのが良くわかります。
天井は後述します。

小狭間(こざま)彫刻、柱の彫刻もおろそかに致しません。木彫りのシャープさを損なわない仕上げに注力しています。
勾欄(こうらん)は朱赤漆塗りです。 須弥壇上面はツヤ消し黒漆塗り。

柱部分の拡大、岩絵の具による彩色もすべて手作業です。
唐草文様の彫刻は、シャキっと角が立ち、隅が残り、’生きている’のがお分かり頂けると思います。

檀周り。ふんだんにちりばめられた彫刻はこのたびの施主様のご希望に副い、鳥で統一されています。
この画像では余間(よま)の彫刻を取り外して手前においています。

けごみ彫刻と下段から中(ちゅう)敷き框まで。 蒔絵を、ここも施主様のご希望を反映し、配しています。
緑の丸で示す部位を端板(はたいた)といいますが、その面取り(赤線部)を粉溜め(ふんだめ:金粉での仕上げ)とすることで隣接する脇板の「ツヤ消しの金箔」とはまた違った陰影を付けています。

けごみ彫刻単体。

下段を上から見ます。
黒漆蝋色塗りです。蒔絵は繊細な’花丸’で統一しています。

下段框・中敷き框は弁柄漆、丸台は黒漆。 全て磨き上げております。
錺金具は言わずもがなの手造り、たつの市の谷口秀作師によるものです。

画像を撮り忘れていたので組み上げ前の天井をご覧ください。 色漆を使った花丸を入れています。
金箔は全体をツヤ有りで仕上げています。

翻って障子を閉めた状態の全景。
当店では上台(赤矢印)は漆塗りだけで、錺金具は付けません。
同じく戸内側も出来るだけ黒い漆塗りを愛でて頂きたく金具は三枚打ち(上下方向で三段)にしています。

戸の内側も金箔仕上げです。 品良くツヤ消しとしながら、粉溜め(金粉)より明るい色調を見栄え良く叶えます。
いかがでしょうか。
昨今、「総粉」といって金粉で仕上げられた仏壇がほとんどですが、しっかりした漆の下地に天然漆塗り、そしてそこに「漆を使った箔押し」を施すことでご覧のような金粉の仏壇では成し得ない、明るい仕上げのお仏檀を造り上げることが出来ます。明るいからといって決して下品にはなっていないことがお分かり頂けたかと思います。
お問い合わせはお気軽にお寄せくださいませ。
このお仏檀の外装はこちらです。
文中に出てきた蝋色(ろいろ)とは、上塗りの漆面を研ぎ下ろすことで平滑に均し、そこにまた漆を薄く摺りこんでは手のひら・指で磨き上げる、を繰り返して鏡面を得るという、漆塗りの加飾のひとつです。
このお仏檀のツヤのあるところはすべてこの蝋色で仕上げてあります。
当店では塗り作業まえの木地の状態からご覧の完成に至るまで、つまり下地前も下地も塗りも、
すべて天然漆を使用しております。
パテやサーフェーサーの類いは一切使わず、彫刻部分も下地は天然材料である膠(にかわ)と砥の粉、
塗りはもちろん天然漆塗りです。箔を施すことを’押す’といいます。その箔押しにも化学材料は使わず漆で行っております。
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