いにしえより伝わる技、
絶対に近道しない職人魂。
良質な天然漆を何層も何層も塗り重ね、
幾人もの職人の手によって漆工芸は完成します。
ルックスと機能性を兼ね備えた美は、
丹念な技の積み重ねと心配りはもちろん、
守り継いできた歴史、揺るぎない信念、
経験や知恵から生まれます。
仏壇づくりの工程
04下地をつくる・・・塗師
漆塗りは、下地が命。まずは継ぎ目などを漆で埋める刻苧(こくそ)と、全体に生漆を吸い込ませる木固めを行います。
その後、砥の粉(とのこ)、地の粉(じのこ)などと漆を練り合わせた堅地(かたじ)と呼ばれるもので丹念に塗り上げます。
05漆を塗る・・・塗師
良質な天然漆を使い、ほこりが付かないように刷毛で丁寧に塗り込みます。
室(むろ)と呼ばれる空間で保湿しながら乾かして固化させることを繰り返し、下塗り、中塗り、上塗りと段階的に重ねます。
天然漆の特徴として、まず触れられる程度に固化するまでに数日程度かかるため、相当な手間ひまがかかる他、適切な温度と湿度の管理、見極めには熟練の技と経験を要します。
08箔を押す・・・塗師
金を1万分の数mm程度まで薄く伸ばし、約11 cm角にしたものが金箔。
取り扱いに細心の注意を要するその金箔を1枚1枚、塗った漆の上に押していきます。
定着にも天然漆を用います。