英賀神社高町だんじりの修理 ・ その1


 だんじりの全解体修理です。平成12年に修理しました。写真が多いのでその1・その2に分けます。
屋根の上の龍の彫り物には墨で年号が書いてありました。「天保」の文字。
天保元年が西暦1829年ですから実に約170年ぶりの大修理となりました。


      





 修理前の全体像はありません。かなり傷んでいたので、ばらしてから搬入したためです。
 屋根は全長約2.4m、全幅約1.6mぐらいでしょうか。屋根の表面は風化してつやの無い状態でした。また、いろんなところに簡単な修理をした跡がありました。それらは最近のものらしく応急処置のようなものでした。








    
 屋根の上には見事な龍の彫刻があります。丸彫りといって手足などの枝を除いて端から端まで一本の木です。上記の墨の字はこの彫刻の上面にありました。

 埃・汚れをおとしたのち古く弱った彩色(さいしき)を剥がせるだけ剥がしてしまいます。三枚目の写真は下地をしなおしたあとの状態です。金箔の部分は予想以上に丈夫でした。とはいえ当然そのままというわけにはいかず、うるしを塗りなおしたのち金箔を押しなおしました。
 ↓下の写真は修理前修理後です。


                       
  




    
 屋根の内部。虫食いや乾燥でかなりの傷み具合でした。使えるところは補強して活かし、無理なところは新しく作りなおします。真ん中の写真が修理後のもので白く見える部材が作りなおした部分。
 右は屋根をばらした図(修理前)。




 修理前の高欄と四本柱(しほんばしら)。ほぞの傷みも激しく補強金具を外すまえからグラグラしてました。この上に屋根がのります。
 ↓下の二枚は修理後。



     →その2へつづく




    


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