祭りが終わったあとも、漆と向き合う日々です。
駆け抜ける夏秋と比べて、少し穏やかな季節を過ごさせて貰っています。
年初にお預かりした内間と、春にお預かりの尺三仏壇の漆塗り修復を進めています。
さて少し説明致しますと、内間(うちま)とは仏壇の大きさを表す通称のひとつ。きちんと言うと内間中(うちまなか)、それをさらに縮めてウチマと言います。板の内が間中、の意味です。
まだ分かりにくいですよね。
板とは仏壇の脇板、その’内’とは仏壇の内側の横方向の寸法ということです。自ずと障子巾です。(厳密には遊びがあり全く同一ではありませんが。)
その寸法が間中、一間の半分と言うわけです。
一間は六尺三寸、ですのでまとめると、
仏壇の内側の巾が三尺一寸五分の仏壇となります。一寸は約3.03cm。なので95センチと少し。
大型ではありますが、播州の特に浜手ではよく見られる大きさです。
おなじ理屈で尺三とは、板内が一尺三寸(39センチ)のお仏壇。
まずは内間のほうの途中経過です。
例に漏れず、下地は堅地(漆の下地)のヘラ付け、塗りは天然漆のハケ塗りです。
金箔も漆を用いて施していきます。
全国的にもほぼ見られなくなった古来の手法を、あいも変わらずさせて頂けるのもご依頼下さる施主様あってこそ。
志や理念だけでは時代を繋いでいくことは出来ません。とても有難いことです。
こちらは尺三のほうの洗濯風景。
一つひとつに分解後、まずは積年の汚れを落とします。
どちらも年明けの完成に向けて静かに進めています。
前の職場では屋台の屋根作業、
目下屋根内側の補強をしています。
先日今在家屋台が終わり、現在町坪屋台に掛かっています。
うちの猫の額ほどの庭のカエデも色づきました。
いまはだいぶ散りましたが、店先にこんなものを見つけました。
散ってなお
消えてなおまだ
ある紅葉
紅葉のように、図らずも結果としてそんな風に自分も生きていけたらなと思います。
暦は12月も半ばを迎えました。
夜の用事も沢山あります。
慌しくならず、令和の元年を公私ともに静かにそしてきちんと締めくりたいものです。