漆塗りというと、塗る、というイメージですがもちろんその前に下地が必要です。吸い込みを防ぐ目止めと、『場』をつくるという二つの意味があります。
この下地がとても大切です。祭り屋台の神輿型屋根でいうとこの下地作業が大半です。
ですが、この長い下地工程に入るさらに前の工程もこれまたとても重要です。これを木地拵え(きじごしらえ)といいます。
屋台をされる大工さんは少なくありませんが、漆を塗らせて頂いてお納めする段になったら、どの屋台も変わらぬ仕上がりを求められます。
そうするために、うちの漆塗りに必要な条件を整えるよう、大工さんの様々な手法で成された白木木地を、こちらで少し手を加えさせて頂くというわけです。色んなところに経験に基づいて留意点があります。
いま神輿型屋根は3台預かっておりまして、姫路の職場の二台は木地拵えが完了しました。
向かって右は高丘神社辻井屋台。刻苧(こくそ)まで、左の魚吹 津市場北屋台はようやく木固め(生漆を吸い込ませる工程)まで来ました。
とにかく長い長い道のりです。
こちらは夢前コウバ。
西細江屋台の木地拵えの真っ最中です。
連日の冷え込み。独りで延々黙々と続く作業。
禅寺の雲水さん、くらいの心持ちです。
(雲水さんゴメンなさい)