漆塗り 屋台, 私信

雨の慕情

 

私には子供が二人おりまして、上は去年の春から大学生してます。夏に帰ってきた折、再び下宿先に戻るとき「祭りんときまた帰るわ」と言いました。

そうか。祭り来るならせっかくやしハシゴ持ってくれるか。と返すと、ええで、と。

そんなことで昨秋息子は灘祭りデビューをしました。店の法被を着てることもあり、方方でお声を掛けて頂いたり、要所要所で発生する事案にある程度の役があったりで、本人は中々楽しかったようです。


 

本宮終了後御蔵で片付けを済ませ、土手沿いを帰る車内。辺りはすっかり夜の帳、ひっそりとした市川の流れや遠くの街灯。

「さっきまでの状況と違いすぎやろ、さみしすぎやろ。」と、未だ少しの高揚感を引きずりながら、「来年はもうちょっと出来ること増やしたいな〜」なんて、すでに一年後への目標めいたことを口にしたりしていました。

自分も19歳に初めて父親の手伝いで妻鹿屋台に帯同させて頂いたので、知らん間に世代を一周したか、と感慨深い秋祭りでした。

 

さっき歩道を、若いお父さんとよちよちの幼いぼっちゃんが二人ニコニコと傘を差して歩く姿に、かつての息子が浮かんで、ふとこんなことを書いてます。

きょうの姫路は、昼前から春の雨。