先日とある方に、手ェきれいな、と言われました。漆でよごれてないな、という意味です。
漆塗りは、祭り屋台は特に、漆を使い始める前の下準備が結構な時間を要します。大工仕事というと本職の大工さんに叱られますが、屋台を分解するというだけでなく、ノコギリ・鉋・金槌を使ってお預かりした白木屋台の木地を、漆塗りを重ねていける状態に拵えます。
先の秋祭りが終わって早2ヶ月半になりますが、そういう理由でまだ手が普通の手です。
それで、今ようやく二台分の木地が整ったので漆の出番を迎えました。まずは刻苧(こくそ)です。
辞書を引くと、
【刻苧】漆に繊維くずや木粉を練りまぜたもの。漆塗りの下地の合わせ目・割れ目などを埋めるために用いる。
とあります。その通りで、職人によりノウハウがあると思います。
メインとなる挽粉を用意します。キメを揃えるためにふるいに掛けます。
つづきます。