英賀東屋台

 平成18年5月にお預かりしました英賀東屋台の漆塗箔です。
大工は宮本住建で英賀の拝殿に入れるように泥台下部が金具により取り外し式になっています。彫刻は同町の大木光氏によるもの。
露盤・狭間・粧隅とも素晴らしいもので、氏の意気込みが伝わってまいります。


 お納めした日、屋台蔵での一枚。茅負と隅垂木に見える群青で、さりげなく雰囲気が引き締まって見えます。



作業

 
 仮狭間が入っています。 分解前、まさに「白木」です。


桝組み





 


 分解していきます。
彫刻はできるだけ彫りを埋めないように配慮して下地・塗りと進めます。

←肘木の端などは逆に下地でなめらかに均します。


屋根

 下地を重ねている時の写真です。屋根の上の勾欄台は下地が終わっている状態。
左は白浜松原屋台。


 中塗が終わり、塗り面をさらに炭で研ぎ上塗りをむかえます。


 上塗り面を研ぎ、蝋色(ろいろ)作業です。ここで鏡面となります。昇り総才も水切りも蝋色塗り。


 蝋色後、紋木を元通り取り付けます。箔押しが終わって、川村さんが垂木の金具を打ちに来られました。
茅負は群青をさすためにまず下塗りで白を塗っています。


勾欄

 
 乗り子の部分が広くなっている形状です。

 
 左:勾欄掛けの柱になる部品。ここも蝋色塗りとしました。右:まず隅の部分から組んでいきます。座面は黒艶消し漆。

 
 勾欄掛けの部分を組んでいるところ。


完成


 天井は蝋色塗りに金箔を押しています。



↑↓四隅の獅子はそれぞれ別のものを持っています。「阿」の獅子は金をメインに、「吽」の獅子はプラチナをメインに箔の押し分けをしました。 桝組み・肘木の前面は下地で盛り上げています。


千成瓢箪


打ち出の小槌




 勾欄も国産100%黒漆を使っております。



 井筒は国産透き漆蝋色塗りです。


完成式


 平成18年10月1日日曜日、英賀神社にて完成式が執り行われました。ご招待いただき感謝状まで賜りました。
朝は曇り空で持ちこたえていたのですが、昼前から生憎の小雨が落ち始めました。
上の写真は拝殿に入ったときのものですが、あの空間にあの寸法の屋台が入るとは、といった感じで梁との高さはまさにぎりぎりに感じました。もちろん声も太鼓も反響します。ゆえに迫力は相当なものでした。伊達綱が跳ね踊っています。

 英賀東の皆様、誠に有り難うございました。今後とも宜しくお願い申し上げます。


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