浄土真宗東本願寺派仏檀大修理(10/3/21)


 施主様のご希望は、このお仏檀がかつて新品でやってきたときの状態を再現して欲しい、ということでした。
それをお伺いした上で、少しの変更をもってより喜んでいただけるお仏檀になるように部分部分でご提案申し上げました。


正面

お預かり前

修復完了、お納め


内陣

お預かり前

修復完了、お納め
(この画像では和讃箱と和讃卓は配置しておりません)






お納め後、施主様より有難いメールを頂戴しましたので
抜粋してご紹介します。

(仏檀納入の朝は、)曾祖父夫妻達の写真を上げたり普段はしたことのない玄関の掃除をしたり、曾祖父達・特に父親が旅から帰って来るような気持ちで待っておりました。今まで何とも思ってなかった仏檀でしたが、修理に出してからあるべき所にあるべきものがない寂しさみたいなものを感じてました。仏檀の扉が開いた時の感動は言葉になりません。そしてどんどんフル装備になっていく仏檀…ため息が出る美しさとは、まさにこのことです。「これがウチの仏檀?」作業場に何度も足を運んだのに自分の目を疑いました。

 家族は耳を貸しませんでしたが、この仏檀を自慢していた亡き父親が、この生まれ変わった仏檀の姿を見たら、どんなに喜んでくれたことでしょう。
今回の修理で、父親やご先祖様の偉大さ、仏檀についての知識など色んなことを獲ることができました。砂川さんが手をいれられた仏檀は素晴らしい物でしたが、それ以上に「仏檀」という「品物」だけでなく、自分達の様々な思いを詰め込んで頂いた「本物」の修理して頂いたことに、施主を代表いたしまして心より感謝申し上げます。

 金箔・粉溜め(ため)で、本当に迷いましたが、砂川さんだけから勧められた金箔仕上げが、あの仏檀にはふさわしかったと思います。ホームページで書かれた「誰もが思わず手を合わせたくなる仏檀にしたい」、この言葉の意味の奥の深さを感じたように思います。
当家の仏間は、陽当たりもいまいちの暗い部屋で、夜だとかなり大きくなるまで怖くて一人では行けない部屋でしたが、本来ご先祖様を祀る家で最も大事な部屋が、そんなことではいけませんよね…。光輝く金色の仏檀が帰ってきて、もう仏間は暗い怖い部屋ではなくなりました。ご先祖様も含め皆が楽しく集まれる部屋になったのではと思います。

 こんなに素晴らしい仏檀に甦らせて頂き、生前この仏檀を自慢して止まなかった亡き父親への最高の供養ができました。

 この度は、本当にありがとうございました。


身に余るお言葉の数々、恐れ入ります。
こちらこそ誠に有難うございました。